組織の自律的学習能力の成長(組織メタ認知)を支援する知的システムの研究


プロジェクト概要

ノウハウが分散した異なる組織同士で学びあったり,経営の過程で意識に上がりづらい自組織の能力を自覚して成長を続けることが持続可能な組織運営には大切です.従来の知識データベースやナレッジマネジメントでは難しかった「簡単には目に見えない部分に目を向ける」活動や,これを自組織内で自律的にできるようになることで自走できる組織としていくことに目掛け,学習支援の観点からシステムを検討しています.

取り組み事例


個人知を大切にする組織運営のための組織メタ認知支援スキーム

組織で継承してきた知識やノウハウを踏まえて事業の継続的改善に繋げる取り組みはこれまでもたくさん実践されてきました. 一方で,組織構成員それぞれの興味や関心,知識やスキル,特に現行事業に直接かかわりがあるわけではないモノ・コトが組織に見出されて,将来の事業構想の1部として取り上げられることは必ずしも多くありません. 組織が抱える構成員が「実は持っている」知識・スキル・興味・関心は,潜在的な組織の知となりうるものであり,「自分たちの組織が何を持っているのか?」をモニタリング・コントロールする組織メタ認知はVUCAの時代で重要なものとなってくると考えています. この組織メタ認知をサポートする知的な計算機システムの開発・理論化に取り組んでいます.

DX推進チームマネジメントにおける暗黙知やスタッフの学びの質的評価法
大学組織におけるDX推進では,学生スタッフの活躍が重要となります.
一方で,教育機関としての性質上,学生スタッフを労働要員と捉えるのはふさわしくなく,あくまで成長の機会を提供する一環でPBL(Project-based Learning)として取り組める環境を整備することが寛容です.
こうしたPBL的な取り組みはたくさんある一方で,その学習成果や組織マネジメントのあり方を評価する方法は十分に確立されていません.
本研究では生成AIを活用し,半構造化インタビューを中心とした学習成果やマネジメント活用の評価法を模索しています. 香川大学 DX推進研究センターを中心とした取り組みです.

攻めのITと守りのITを連携するDXのプロジェクト推進手法
IPAが提唱しているDX(Degital Transformation)を推進に目掛けたあるべきITシステムの捉え方を表す枠組みであえるスサノオフレーム.
この枠組みでは,基幹システムなど安全性や頑健性を備えることが望ましい守りのITと,具体的な業務をこなすための小さなシステムのようなスピード感を持って改善していくのが望ましい攻めのITがあり,これらを分離しつつも,連携を図ることが大切と言われています.
特に大学組織におけるDX推進のための守りと攻めのITを連携する開発体制や方法論に関する研究です.
香川大学 DX推進研究センターを中心とした取り組みです.